公共の場での分煙などがすすみ、日本の喫煙人口は減少傾向にありますが、それでも3000万人以上の喫煙者がいると推定されています。
成人男性の喫煙率は40%以上、女性の喫煙率は先進国の中では低く13%程度ですが、若い女性の喫煙率は高くなってきています。
様々な調査の結果では喫煙者の6割~7割の人が禁煙したいと思っているということがわかっています。
やめたいと思っていてもなかなか禁煙できないのは何故なのでしょうか。
多くの人は意思が弱いからと考えがちですが、これは全くの間違いです。
禁煙が容易でない原因は、たばこの煙に含まれるニコチンに依存性があるからです。
世界保健機構(WHO)の分類では精神及び行動の障害の原因物質として、ニコチンはアルコール、アヘン、大麻、コカインなどの依存性物質と同様に扱われています。
つまり、タバコを止められないという状況は物質依存症という病気の一つであると考えられているのです。
ですから、個人の意思のだけでは中止できない場合が多いのです。
例えば「たばこの弊害は良く知っているが禁煙する気は無い」という状態は、ニコチン依存による心理規制が働いている結果でも有り、適正な判断能力を失っているともいえます。
喫煙者は「ニコチンによる身体的依存」と「心理的依存」に支配されています。
●ニコチンによる身体的依存
ニコチンが体内で一定量以下になると、イライラ、不安感、集中困難など不快な症状が起こります。
喫煙者のニコチンの血中濃度は、タバコを吸った直後に急上昇しますが、30分ほどで半減し、約1時間でゼロに近くなります。
こうしたニコチン切れの状態になると、不快な病状が出てくるので、タバコを吸ってニコチンを補給します。
喫煙者は「ニコチンの血中濃度が下がる」→「イライラしてタバコを吸う」、これを1日中繰り返していることになります。
●心理的な依存
ニコチンの血中濃度とかかわりなく、たばこを吸いたくなるのが心理的な依存です。
喫茶店に入ったり、タバコを吸っている人を見たりすると、血中のニコチン濃度が高くても、思わず吸いたくなります。
これは、永年の喫煙によって、タバコが生活のパターンに組み入れられ、習慣や癖、条件反射になっているためです。
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